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| ▲母衣暮露滝(ぼろぼろだき)
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| 母衣暮露滝の景観と印象
徳島県吉野川市にある「母衣暮露滝(ぼろぼろだき)」は、美郷地区を流れる川田川の源流に流れ落ちている。 落差は30m程で、水は大きな岩の上から二段から三段になって流れ落ちている。 その水は途中の岩で砕け散り、すだれのように飛び散っているようにも見えるが、その様子は清々しい。 落差はあるが、滝壺は大きくなく、母衣暮露滝は周りを断崖に囲まれたようにひっそりと流れ落ちている。 それがこの滝の良さをつくり出していて、しばし眺め入ってしまう。 滝近くには不動尊などが祭られていることから信仰の滝でもあることが分かるが、かつては修行僧のほか、祈願成就のために多くの人々が訪れた言われている。 ここまで麓から随分の距離があるが、その当時はいっそう山深く、険しい山道を時間をかけて登ってこなければならなかったのだろう。 それだけに、その祈願の強さを思いやることができるが、母衣暮露滝がそのような対象になっているのがよく分かる。 滝は遊歩道の途中から遠望することができるが、目に入った時には、思わず感嘆する。 両側から岩がせり出し、その奥に滝が流れている。 不動尊は手前にある大きな岩の下に安置されているが、その岩を含め、辺りの景観は素晴らしく、強く印象に残る。 滝の良さは大きさだけでないことは言うまでもないが、母衣暮露滝は滝自体の様子や辺りの様子が実にいい。 閑静で落ち着きのある空間は、風光明媚というに相応しい。 滝前に立つと、落差は30mを超えているようにも感じられ、遠目で見るよりもずっと迫力がある。 周りを岩で囲まれた閉ざされたような空間だが、この空間が独特の雰囲気をつくり出している。 これまで、心に残る滝はいくつかあるが、この母衣暮露滝も強く印象に残る。 ところで、「母衣暮露(ぼろぼろ)滝」とは変わった名前だが、かつては修行僧や祈願する人たちが、この滝裾で日が暮れるのも忘れて祈ったそうで、その時には着物はすっかり濡れてしまい、襤褸(ぼろ)のようになってしまったことから付けられたと言われている。 元は「襤褸襤褸」、或いは「梵論梵論」とでも表記するのだろうが、成程、当て字ではあろうが、「ぽろぽろ滝」とはうまく名前を付けている。 また、岩肌がボロボロと落ちてくることから名付けられたとも聞くが、母衣暮露滝が流れ落ちる大きな断崖は、結晶片岩からできている。 この結晶片岩は片理に沿って板状に割れやすいこともあので、そのような事もあろうかとも思う。 滞在中は岩が剥がれ落ちるような事もなかったが、飛沫がボロボロと落ちてくるようには見える。 いずれにしても、面白い名前が付けられている滝でもあり、戻るときにもしばしば振り返った。 母衣暮露滝への交通・アクセス さて、母衣暮露滝までは、自動車の場合、徳島自動車道・脇町インターからだと、インターを降りると突き当りになるので、この交差点を「穴吹」方面へ向かって右折し、国道193号線に入る。 しばらく道なりに進むと、穴吹橋を渡って吉野川を越える。 川を越えた先は、左折・直進・右折の各車線がある交差点があるが、ここは左の徳島方面へ向かう。 この道は国道192号線で、しばらくは道なりに進んで行く。 やがて、国道193号との分岐になる「山川町瀬詰」の交差点があるので、ここを右へ曲がり、あとは道なりに進んで行く。 この交差点の手前には「吉野川市→ (↑ 徳島/← 阿波市)」の道路案内があるので、それにも注意しておくとよい。 右折してからしばらく走っていくと、道路右に「美郷ほたる館」があるが、ここまで、インターから20〜30分程度。 「ほたる館」も通り過ぎて少し行くと、県道250号線との分岐がある。 この交差点は三差路で、手前には「県道250号・三ッ木→」の分岐標識があるので、ここを右折する。 交差点のすぐ手前には、「郵便局・150m →」の標識も立てられている。 右折するとすぐに「美郷郵便局」があるので、あとはそのまま県道を走っていく。 道は舗装されていて走りやすいが、次第に林道のような感じになる。 滝近くになった辺りでは凸凹のところもあるが、特に悪路というほどでもなく、注意して進めば問題はない。 ただ、県道に入ってからは曲がりくねった道が続くので、運転にはよく注意する必要がある。 途中には分岐などがあるが、よく見ると滝への案内板があるので、それに従って進むようにする。 やがて、「宝珠山・真福寺」との分枝があるが、ここにも道路案内の石柱が建てられている。 右へ向かうと真福寺へ向かうので、そのまま直進する。 但し、この辺りから先の道は、舗装はしてあるものの凸凹で、落石に注意しながらゆっくりと進む方がよい。 やがて道が大きく右へと曲がるところに出るが、ここが母衣暮露滝への入り口になる。 道が曲がる辺りには「桁山県有隣区域図」が設置されていて、ここまで、麓にある「ほたる館」から30〜40分程度はかかる。 また、道が大きく曲がっているところには、目につく滝が流れ落ちているので見落とすことはないと思う。 この滝は、無名のようだが、大きな岩肌を削るように流れていて、名前が付けられていてもよさそうな滝だと思う。 自動車はこの辺りが少し広くなっているので停めることができるが、通行の邪魔にはならないように注意する。 案内板のところから山道に入っていくが、道はよく整備されていて、遊歩道になっている。 はじめの坂を上りきると、あとは平坦な道が続くので、左の渓流の様子などを楽しみながら登っていくと、ほどなく休憩所が見える。 その奥に母衣暮露滝が流れ落ちているが、遊歩道の途中から見るこの光景は、実に印象に残る。 滝へ近づくには沢を渡らなければならないが、石畳のような道が整備されているので簡単に渡ることができる。 沢を渡ったところに休憩所が設けられているが、その近くには不動尊などが安置されている。 この前を通り、滝前に近づくことができるが、休憩所から滝前まではすぐで、道もよく整備されていて柵なども設置されている。 遊歩道入り口から5分も歩けば滝前の休憩所に着く。 また、母衣暮露滝周辺は春には岩つつじ、初夏は新緑、秋は紅葉、冬は氷雪と、四季を通じて美しい景観を現わし、「とくしま水紀行50選」にも選ばれている。 |
| その他の写真 |
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| ▲県道の途中にある分岐・ここは直進する (「母衣暮露滝・直進1.5km」の案内板がある) |
▲真福寺との分岐・ここは下らずに直進する |
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| ▲遊歩道の入り口 | ▲遊歩道入り口付近にある無名滝 |
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| ▲山道の様子 | ▲渓流の眺め |
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| ▲遊歩道からの眺め | ▲母衣暮露滝・遠望 |
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| ▲滝近くからの景観 | ▲滝前からの下流側の様子 |
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| ▲滝前にある特徴的な岩壁 | ▲休憩所付近の様子 |